1月13日、京都市議会の教育福祉委で市保健福祉局からトンデモ発言が。
共産党・とがし議員の「(新型コロナ感染拡大防止のため)京都市でも社会的検査を」との質問に対し、市保健福祉局・医療衛生推進室長が「社会的検査は必要ない」「世田谷の社会的検査は全く進んでいない。世田谷区でやっていることは京都市でもやっている」と答弁しました。
一つ目の「社会的検査は必要ない」という答弁は、京都市が批判的態度を取れない国の立場とも、何より科学の専門家の意見とも矛盾します。政府はこの間、自治体への「事務連絡」でくり返し「感染者が多数発生している地域では、症状がない方も含めて、積極的な検査を行うよう要請」しています(検査費用の半額が自治体負担というのが大問題ですが)
1月14日の参院・内閣委では、共産党・田村智子議員の質問に、厚労副大臣(公明党の方)が「感染症の蔓延防止を図るため、医療機関等で積極的検査を行うことの重要性は、田村委員とも共有できていると思う」とあらためて答弁。京都市の立場は政府答弁とも完全に矛盾するものです。
1月8日には本庶佑さん山中伸弥さんらノーベル医学生理学賞受賞者の方4人が連名で「PCR検査拡充」などを政府に求める声明を発表されましたが、京都市はいったいどのような根拠で「社会的検査は必要ない」と考えているのでしょうか。
二つ目の世田谷区についての答弁は、完全に事実と違う話をしてしまっています。京都市の答弁をもう少し詳しく紹介すると、市医療衛生推進室長は「世田谷区の検査は随時検査(陽性者が発見された場合に行う検査)と定期検査の二つがあり、定期検査は全く進んでいない。随時検査は京都市がやってるのと全く同じ」と答弁しました。
しかし、保坂・世田谷区長自らが「世田谷区の社会的検査の中間集計」として紹介しているように、世田谷区では「延べ407施設7191件のPCR検査を実施し68人の陽性を確認」しています(1月15日時点)。その結果を知らせる区ホームページでは「随時検査」よりもはるかに多くの「定期検査」をおこなっていることが報告されています。さらに、世田谷区では1月13日から、介護施設職員1.5万人を対象に「プール方式」を採用した大規模PCR検査を開始することも報告されています。京都市はいったい何の情報に基づいて答弁しているのでしょうか。
京都市担当者の答弁は、他の自治体の取組について事実に反する中身を議会という公式の場で語ったものであり、重大と言わなければなりません。科学的な姿勢とはほど遠い京都市の新型コロナ対応について(保健所の職員さんが大奮闘されていることは言うまでもありませんが)、引き続き追及&提案していきます。
(更新日:2021年01月15日)