北陸新幹線延伸で伏見の地下水はどうなる!?(20019年12月16日/「北陸新幹線(敦賀・新大阪間)環境影響評価方法書についての説明会」レポート)

12月16日(月)夜、馬場こうへい府議と「北陸新幹線延伸」についての住民説明会に参加しました。会場は京都パルスプラザ5階ラウンジ。100名分ほどの席が用意されていましたが、参加者は10人以下。30分ほどの説明ビデオ上映後、質疑応答が行われました。

終了後、受付で「本日来たくても来れなかった人のために資料を数部いただきたいのですが」とお願いしましたが、「資料は来た人にしか渡してはいけないことになっています。ネットでダウンロードもできます。1人で何部ももらえるとなって他の会場で我も我もとなったら困りますので」との理由でもらことができず。

「え?用意された椅子分くらいの資料はあるでしょう?数部いただくこともできないのでしょうか」と聞きましたが、「そういう決まりになってますから」の一点張り。「公開されている資料、たくさん用意されている資料をなぜいただけないのですか?資料がなくなるほどたくさんの市民に受け取っていただいたほうがみなさんにとってもいいのでは?」と再度聞くも、「それはそうなんですが…」と言うのみでした。

市民に情報を公開し議論してもらうという姿勢が全く感じられず。引き続きしっかりチェックしていかなければと思います。以下、質疑応答のメモです。

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◆やまね/国交相の意見として「配慮書では具体的な情報が含まれていないため、方法書以降の手続きは、できる限り具体的な事業内容を記載の上で、より詳細な環境影響について検討すること」とある。今回もばくっとしたエリアが書かれているだけ。もっと具体的中身が必要ではないか。

(→整備支援機構担当者)今回はある程度の平面的な位置や構造を書いてる。次の「準備書」で具体的に書きたい。

◆やまね/「活断層を通る場合はできるだけ短い距離で」とのことだが、伏見区内で言えば具体的にどの活断層を通る可能性があるのか。

(→整備支援機構担当者)資料p3に図を載せているが、主たるものは花折断層になると思う。

◆やまね/「酒造エリア」という場合、どこからどこまでの範囲を想定しているのか。それを「回避」という場合、西側か東側かどちらを想定しているか。

(→整備支援機構担当者)酒造エリアについての具体的範囲はまだ想定してない。西か東かもこれから検討。

◆やまね/地下水や水脈について3D的把握はしているか。地下水の調査は伏見区内で何ヵ所されるのか。

(→整備支援機構担当者)既存文献の把握はしている。調査は専門家の意見もふまえて検討する。

◆やまね/文献資料で把握しているならこの説明会でも資料として出すべきではないか。

(→整備支援機構担当者)受付に図面集を置いている。方法書の「本編」にも地下水の利用状況を書いてある。そちらを見てもらえれば。

◆やまね/結局のところルートもわからないし全てこれからという感じ。これでは市民のみなさんも意見の出しようがないのではないか。伏見の地下水はお酒だけでなく宗教的な位置付けも強い。御香宮神社、城南宮、藤森神社など、地下水は重要な存在だ。酒造関係者や寺社仏閣から一つひとつご意見聞くべきだ。

(→整備支援機構担当者)ご意見は承った。

◆やまね/今回の説明会場がなぜこちら(パルスプラザ)になったのか。駅から離れているので車でないと来れない方が多かったのでは。伏見区役所など駅から歩いて来れるようなところで開催すべきだったのでは。知らない人が大多数。伏見の地下を通るなら想定される地域のみなさんに全戸配布でお知らせするなど広く周知すべきだ。

(→整備支援機構担当者)説明会は沿線30ヵ所で行う。周知のあり方は今後検討したい。(説明会終了後、担当者との雑談で「区役所でやると区役所が認めたとあらぬ噂となってしまう可能性がある。あくまで整備機構の事業なので」とよくわからない説明あり)

◆馬場/資料の地図を見ると伏見は「明り区間、又は、トンネル区間(都市部)」の部分にあたるが、都市部ということになるのか?

(→整備支援機構担当者)正直どちらにするかまだ決めていない。トンネルだと地下水、地上を走ると景観の問題があるので、今後の調査をふまえて検討する。

◆馬場/明り区間かトンネル区間かわからないとのことだが、それが決まらないと調査しようがないのでは?

(→整備支援機構担当者)当面はどちらの可能性も考えている。

◆馬場/「酒造エリア回避」は確定と考えていいのか?

(→整備支援機構担当者)そのとおり。

◆馬場/住んでいる者としては、いろんな数値が法の基準範囲におさまってるかどうかでなく、振動や音などの影響があるのかどうかを知りたい。それは教えてもらえるのか。

(→整備支援機構担当者)できるだけ準備書の中でお示ししたい。

◆南浜地域住民/周知徹底がせめて区民しんぶんに載らないのか。これからどういう経過で進められようとしているのかがわからないので不安。年月の流れはどうなるのか。工事の時期など。

(→整備支援機構担当者)周知のご意見は今後参考にさしていただく。今後は「準備書」の際に説明会を行う。一般的には「方法書」を出して4年くらいで着工となるが、今回は調査項目も多いのでもう少しかかるかもしれない。まだクリアしなければいけないものがたくさんあるので、現段階では時期を言えない。

◆南浜地域住民/工事費も心配だが、これまでこのような大規模な工事をされたことはあるのか。都市部を通ったり、長い区間トンネルなど。

(→整備支援機構担当者)都市部の市街地をこれだけのスピードで通るものはない。これだけ長いトンネルもない。

◆酒造関係者/仕事上心配がつきない。「準備書」の間までには経路がクリアになっていくのか。準備書まではこういう説明会はないのか。

(→整備支援機構担当者)説明会は次は準備書の時。それまでは考えてないがご意見として受け止める。

◆酒造関係者/ルート選定など決まった経緯はオープンにしていただけるのか。

(→整備支援機構担当者)そこに至った経緯を示さなければならないことになっている。

◆酒造関係者/京都市を縦断するというのはものすごい構想だ。調査の結果としてやらないということはありえるのか。そうなれば安心だが。エリアを避けるだけでは不安だ。水脈が断たれることは距離が離れていても起こりうる。どのくらいケアしてもらえるのか。

(→整備支援機構担当者)環境影響評価など、今行っているのはより良い事業をつくるためのプロセス。調査をふまえエリア回避や低減の検討を行う。それでも不可能なことがあれば事業見直しや影響評価の見直しも。可能なかぎり地下水の流動阻害しないように。

◆馬場/いまの酒造関係者の方の「水脈切断は離れたところでも起こりうる」というお話になるほどと思ったが、最終的に酒造関係者の方々が納得いただける形になるのか?酒造エリアの判定をする場合、酒造関係者の意見は反映していただけるのか?後から出てくる影響への判断は?

(→整備支援機構担当者)伏見にどういう形で地下水が流れてきているか、まずそれを調べないといけない。専門家の調査もふまえて検討したい。地下水の流れを阻害しないようなルートや手法を考えたい。関係者へのヒアリングについては持ち帰って前向きに考えたい。その後の影響については、ものができあがって、その影響がおさまっていくまでを考えている。

◆馬場/ヒアリングするかどうかでなく「酒造関係者の納得」がいただけるようにするのかを聞いている。

(→整備支援機構担当者)あくまでも営業されている方に説明し、ご理解いただく必要あると考えている。

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2019年12月16日/「北陸新幹線(敦賀・新大阪間)環境影響評価方法書についての説明会」レポート

(更新日:2019年12月16日)