消防局による民泊施設への立入調査について(2018年3月5日/予算特別委・消防局・ひぐち英明議員の質疑メモ)

◆ひぐち議員/民泊での火災対応について。東山区での民泊火災の通報、近隣住民の方がされた。管理者への連絡も同じように近隣住民の方だった。本来、管理者が火災の対応を行うことが当然であると思うが、そのようになっていないのは問題と感じるがいかがか。

(→山村・予防部長)火災の通報は、火災を発見された方がいち早く通報していただくことが被害の軽減につながると考えているので、基本的には火災を発見された方が通報していただくということで、今回の東山区の場合については、近隣の方がいち早く発見されて通報していただき、被害の軽減に努めていただいたと認識。

◆ひぐち議員/一般論としては今言われたことは当然だ。ただ、業を営んでいる方と、その地域に住んでいる住民のみなさんとを同列で論じるのは間違いだ。業として利益を得ている以上、その場で起こる様々な事案に関して、事業者が責任を持つべきだと私は思う。また、その場で事業者が対応するほうが、当然火災も早期に発見できるし通報ができる。命の面でもそれが重要だ。その役割を、いまは近隣の方たちに肩代わりさせているような状況になっているのはやはり間違っている。騒音などいろいろ迷惑をこうむっている近隣の方たちが「なぜ私たちが事業者の利益を得る手助けをしなければならないのか」との思いを持つのは当然だ。騒音や衛生上の問題などについても、その場に管理者がいる、事業者がいる、そして対応するのが当然であるし、火災の場合には直ちに命に関わる問題。宿泊者の命もそうだし、近隣の住民の方も命に関わる問題。消防局の姿勢としては、あくまでも事業者に責任を持つよう求めるべきではないか。

(→山村・予防部長)私ども、簡易宿所、関係者が常にいらっしゃらない、常駐していない施設があることを認識している。その場合、関係者の方から宿泊される方、利用者に対して、出火防止についての注意をしていただく、また、万一火災が発生した時には初期対応、初期消火、119番通報、さらには避難について、注意書きの書面を常時目につくところに備えていただく、そのように指導してくださいと事業者、関係者に指導している。そういう体制を取っている。

◆ひぐち議員/いま現在はそういうふうに指導されている。それで法律上も問題なしと。ということで運営されているけれども、今回の事案のように、結局、いざ火災が起きた場合、対応を近隣の方がせざるをえない状況だ。これで良しとしてしまうのは問題がある。事業者に責任を持つように求めるべきだと思う。先ほど「常駐していない場合」という話があった。そこに一番の問題があって、やはり事業者、管理者が、常駐する、このことが欠かせないと思う。東京の台東区では旅館業法施行条例を2016年に改正している。これは「管理者の常駐」を義務付ける改正。改正した理由は「安全で安心なおもてなしとなる宿泊施設にお泊りいただきたいという思い」からこういう改正をしたんだと説明されている。この考え方は本当に重要だ。本市でも、簡易宿所でも、そして今後できてくる住宅宿泊事業でも、管理者の常駐、義務付けることが必要だと思うし、消防局からもそういった意見をぜひとも上げていただきたい。

次に、比較的小規模の簡易宿所に関しては、今後消防局は「年に一度の立入検査を行う」と聞いている。その数だけでも2000施設あるということだから本当に大変な作業だと思う。ただ大変だが、これは一方で重要な大事なことと考えている。では、今後始まる住宅宿泊事業の施設に関しては、立入検査はどのようにしていくのか。

(→山村・予防部長)まず現行の関係者が常駐していないところについては、これまでの対応でしっかりと事業者、関係者の方に指導していきたいと考えている。今後の住宅宿泊事業法にもとづく届出住宅についても、これまでの小規模の簡易宿所と同じように、届出がされて営業が開始されたら、私ども定期的な検査をしていくというようにしている。まずは届出される時に私どもの「消防法令適合通知書」が今回の条例では義務となっているので、その際に一度その状態を現地へ行って検査をする。その後、そういった状況が変わっていないか、定期的な検査を行っていくということにしている。

◆ひぐち議員/事業を開始される際に立入をされるというのは分かった。引き続き定期的にも、民泊新法に基づく施設に関しても立入検査を行っていくという話だから、それは大変な労力必要だが、ぜひとも法令が守られているかどうか、後追い調査がんばっていただきたいと期待している。ただ期待する一方で、その際には必要な人員体制、これも確保が大事だと思っている。そのあたりは局長も含めてしっかり配慮を。

2018年3月5日【予算特別委・第1分科会】消防局/民泊施設での火災対応について

(更新日:2018年03月05日)